通信521「続・生成AIの活用について」田附和久

【週刊ハンガンネット通信】第521号 (2025年2月10日発行)

「続・生成AIの活用について」 田附和久
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前の私の担当回では、生成AIの活用方法を学ぶために悪戦苦闘する日々の様子をご紹介しましたが、今回はその後の状況をご報告します。

引き続き生成AIの活用に慣れることを目指して、様々な努力を重ねています。日常の仕事や生活の中で「この季節の手紙の書き出しはどうしよう」とか「英文で作成したメールの件名をどうしよう」とか、小さなことでも課題が出てきたときには、なるべく意識して生成AIに候補を出してもらうようにしています。この程度の内容では、それほどの効率化にはつながっていないかもしれませんが、それでも自分の頭だけで考えたときにはひねり出せなかった表現で文章を作成できるようになり、思いのほか早く作業を終えられるようになってきたと感じています。

文章、画像の生成に続いて、動画生成にもチャレンジしてみました。毎年12月に子どもたちのクラスで小さなクリスマス会を開催しているのですが、今年は動画生成AIのテンプレートを使って作成したサンタクロースに登場してもらいました。セリフには、参加する子どもたちの名前や当日のプログラム内容をあらかじめ含ませておき、決まった時間に会場のPCに届くように設定しておいた動画ファイルを開くと、「〇〇ちゃん、〇〇のゲームは楽しかったかな?プレゼントは玄関に置いておいたよ」とサンタクロースが子どもたちに直接話しかける動画を見られるようにしたのです。例年、人間が扮装したサンタクロースには、「髭が付け髭だ」、「ずいぶん若かったから、あれは偽物に違いない」等と厳しい評価を下す子どもたちも、今回はひょっとすると本物かもしれないといった表情を浮かべていたように見受けられました。

サンタクロース

動画生成に慣れてくると、文書生成と動画生成を組み合わせて、「日韓の歴史認識問題の解決方法について200字程度で語る韓国の大学生」などといった動画も作れるようになりました。
https://drive.google.com/file/d/1RM9kVzUCAC62_p_Xd74uy3GP7ewlwN6c/view?usp=sharing

そして、個人的に最も関心の高い、語学教育での生成AI活用についてより深く考察するために、今年に入ってから生成AIを用いた英会話アプリでの学習を始めてみました。私の英語の実力と言えば、日本では多いタイプかと思いますが、受験勉強のおかげで英文のニュース記事等はそれなりに読めるものの、会話は苦手です。旅先の空港、ホテル、レストラン等ではブロークンな英語を使ってそれなりの意思疎通をすることはできても、いざ英語を使ったビジネスミーティングになると、相手の発話内容が上手く聞き取れず、また自分の言いたいことをなかなか表現できずに悔しい思いをすることが少なくありません。少しでも英語での会話の機会を増やそうと、在宅勤務が多かった2年ほど前、フィリピン在住講師と1対1でのオンラインレッスンを行う大手英会話スクールのコースに申し込み、一時期は1回30分のレッスンを週に1~2回程度受講していましたが、在宅勤務が減ってきた近頃では、受講料が毎月継続して引き落とされているにもかかわらず、1ヶ月に1回も受講できない月がたびたびあるという状態になってしまっていました。

そんな中で生成AIを使ったアプリによる学習を始めたわけですが、今のところ、ほぼ1ヶ月毎日(!)続けることができています。続けられている理由を考えてみましたが、何と言っても大きいのは時間帯および学習時間の制約がないという点です。アプリですのでスマホさえあれば、起床直後、昼休み、就寝前、いつの時間帯でも、どんなに短い時間でも、その場で学習できます。オンラインレッスンも比較的自由に時間帯を選べますが、それでも事前に予約しなければならず、また1回の講義時間も決まっているので、アプリほど自由なわけではありません。またアプリの場合、自動的に送られてくるリマインドのお知らせも、学習継続を後押ししてくれます。連続受講の日数が途切れてしまいそうだという警告のお知らせが届くと、日付が変わる前に数分だけでも学習しようという気持ちにさせられます。

レッスンは想像していた以上に、多様な内容が用意されていました。まず講師による講義を聴きながら発話をするレッスン、そこで学んだ表現を定着させる反復練習、学んだ表現を使ったAIとの対話練習等、たいへんよく整っています。うまく答えられなかったり、答えを間違えたりした場合には、その箇所に関する問題を再度出題してくれるのはうれしい点です。また通常のレッスンコース以外に、単語や慣用句をクイズ形式で学んだり、AIと自由会話を楽しんだりすることもできます。自由会話の後にも、発話の中にあった間違いを指摘してくれるのですが、この指摘内容が、冠詞のつけ忘れや前置詞の間違い等、人間の講師であれば案外そこまで丁寧には指摘してくれないのではないかという点に至るまで、実に漏れなく、きめ細かいのです。自身で振り返ってみると、このアプリでの学習を始める前よりも、冠詞や複数形、前置詞等を間違えずに話そうという意識が明らかに高くなったように感じます。

学習者としてもっとも気になる費用に関しては、オンラインレッスンの半額以下ですので、コストパフォーマンスはかなり高いと個人的には感じています(フィリピンの講師とのオンラインレッスンは解約しました)。

以上、長々とAI英会話学習アプリの紹介ならびに感想を書き連ね、まるで宣伝のようになってしまいましたが、すでに様々なものが登場しつつある韓国語学習アプリに関しても、この程度の水準のものが出てくるのは、それほど先のことにはならないのではないでしょうか。学校教育で文法の基礎や多くの語彙を学ぶ英語学習とは単純に比較できないかもしれませんが、韓国語教育の分野においても、既存の語学スクールのかなりの受講者がAIを使ったアプリに流れることは、ある程度覚悟しなければならないだろうという思いを強くしています。

そうした時代を迎える中で、既存の教室にはどのようなレッスンが求められ、市場から淘汰されないためには、何に重きをおくべきなのかということを述べるのは、またまた次の機会に先延ばしさせていただくことになります。
先が待てない方、生成AIについてどうしても一言述べたいという方もいらっしゃるかと存じます。どうぞご遠慮なく皆様のご意見をお寄せいただけるとうれしいです。今後避けることはできないであろうこの問題について、できるだけ多くの皆様とご一緒に考えていければと思います。