通信548「デリケート」日下隆博

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【週刊ハンガンネット通信】第548号 (2025年9月8日発行)
「デリケート」 ワカンドウ韓国語教室 日下隆博
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オンラインでの月1回特別講座シリーズを2年以上継続した中で、毎月必ず受講してくれている人がふと受講をやめていることに気づくことがありました。

講座のテーマによることもあるかと思っていましたが、風の便りでその方が受講をやめた理由を教えてくれた人がいました。

それは韓国の「美容」をテーマに行った回で私が参加者に「出かける前の化粧時間」を聞いたことに不快な思いをして受講継続をやめたということでした。

これはデリケートな質問だったのかと気づかされました。

入門の授業で簡単な会話を展開する時には ‘아이’ という単語はとてもシンプルな文字構成で使いやすいのですが “아이 있어요?” を主婦層の入門者同士で聞きあう練習はなんとなく避けています。デリケートな質問になるかもしれないと考えているからですが他の先生はいかがでしょうか。

高校生の入門授業で ‘있어요’, ‘없어요’ を覚えてもらったのち ‘우유’ や ‘오이’ などのシンプルな文字構成の単語をランダムに引いてもらい当たった単語を隣の学生に「(例えば家に) “우유 있어요?”」 と聞いてみることをした時、たまたま’아이’を引いた女子生徒が隣の男子生徒に “아이 있어요? ”  と聞く形になりました。

すると聞かれた男子生徒はみるみると真っ赤な顔になり「い、い、いませんよ!」と恥ずかしそうに日本語で否定をしました。

‘아이 있어요?’ は高校生にとってもデリケートな質問になりうると認識したできごとでした。