通信562「AIと韓国語学習」寄田晴代

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【週刊ハンガンネット通信】第562号 (2025年12月20日発行)
「AIと韓国語学習」寄田晴代
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来年のヒット予測商品に「多言語リアル翻訳」がある、とラジオから聞こえてきました。「言語」というワードが聞こえると、すぐ反応してしまいます。

これは、話した言葉をほぼ同時に別の言語へ翻訳し、音声や字幕として表示する技術・サービスの総称で、言語の壁をほぼ感じずにコミュニケーションが可能になるのだそうです。

え?じゃあ、韓国語学習者は減ってしまうの?と心配になり,AIに聞いてみました。

答えをまとめると、「実用目的の学習者は一部減る可能性があるが、語学を学ぶことで得られる認知的なメリットなど、外国語学習そのものに意義があるので学習が不要にはならない」ということでした。特に韓国語学習者の大半は、実用目的(仕事や留学などで必要)以外の人が多いので、そんなに減ることはないようです。また、AIが正しいかどうかチェックできるのは人間しかいないので、結局、AIを使いこなすためにも語学力は必要なんだとか。

ただ、外国語学習そのものはなくならないけれど「AI翻訳と語学学習は共存する方向に進む(AIを使いながら学ぶ)」という答えに、では人間の先生は不要になるのか?とまたもや不安になり、人間の教師にしかできないことをAIに質問。すると次の5つの答えが返ってきました。

1.学習者の状態を見て教え方を変える。
2.言語の微妙なニュアンスや、使うにふさわしい場面を教える。
3.学習者のモチベーションを支え、成長に伴走する。
4.その言語の文化的背景や価値観を伝える。
5.ロールプレイや対話練習を促すなど、創造的な学びの場を作る。

なるほど、逆に言えば、これができなければ人が教える意味がないということか、と私は解釈しました。

先日、推しのファンミーティングに行って、通訳なしで韓国語で話ができたと!嬉しそうに報告してくれた学生がいました。また、なかなかハングルがスムーズに読めない高齢の学習者さんがいるのですが、4月から始めて最近だんだん読めるようになってきました。その方が「こうやって読めると面白いんだよね。」とつぶやいた一言がとても印象的でした。(字が読めないのに、授業がつまらなくないのかな、と気になっていたのです。)

こんな場面に遭遇すると、こちらまで嬉しくなります。

理屈抜きに、できたら嬉しい、できたら楽しい。この楽しさを伝えたり共感できるのは、今のところ、私たち人間の教師だけです。このような「人間の役割」を意識すると、授業作りのヒントにもなるのではないかと思いました。