【週刊ハンガンネット通信】第268号 (2018年4月26日発行)
成人学習者の効果的なインプット
吉川寿子
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4月も最終週となりました。
新年度を迎え、会員の先生方もお忙しくお過ごしのことと存じます。
学生さんも先生方も、少し一息つける連休となるといいですね。
私事ではございますが、息子がこの春に小学校を卒業して
真新しい制服に身を包んで中学生となりました。
親子ともども、何もかもが新鮮で
自分の学生時代(30数年前!)との違いに驚きを隠せませんが
これもいい経験をさせてもらっていると感じます。
さて、私の運営する教室でも4月より新しく
いくつかの講座をスタートしました。
去年まではリクエストが多かった作文の書き方指導をメインに
していましたが、会話レッスンに加えて
読解の内容のリクエストが増えてきましたので
個人レッスンで少しずつお応えするようにしております。
といっても、相変わらずアウトプットやインタラクションに
主眼を置いている姿勢は変わらないので、アウトプットを
前提とした効果的なインプットについて試行錯誤しています。
この春に新しく受け入れたのが
TOPIK3ー4級レベルの方が、もう少し
レベルアップのために語彙を増やしたいが
どうしてもひとりでは覚えきれない、というケースです。
ちなみに、全員遠方のためオンライン受講です。
うちの教室に来てくださる受講生さんは
ほとんど社会人、成人学習者です。
社会人学習者は、必修科目として韓国語を学んでいる学生達と違って
強制力もなく、仕事や家事育児介護を抱えながら
趣味で学んでいらっしゃる方がほとんどです。
もちろん、ときどきは検定試験で実力の確認もしたいものの
あまり難しいものに取り組むのは負担が大きい。
でも、少しずつでもレベルアップしたいのが人情というものです。
そこで、初中級の方については、ご自分の身の回りより少し幅広い話題にも目を向けてもらえるような教材を準備しました。
韓国社会背景を反映したものであれば、なおいいと思いますし
そのジャンルそのものに興味を持ってもらえるように
働きかけるようにしたところ、今までハードルの高かった
難しい単語が入ってきやすくなった、と
喜んでもらえるようになりました。
あとは単語の成り立ちごとに整理、分類して説明すると
記憶に残りやすいですね。
インプットといっても、最終的に定着するまで反復練習を
するかどうかは、学習者さんにかかっているわけですので
講師の仕事は、いかに単語や表現練習に取りかかる
心理的なハードルを下げることができるのか、という
ことなのかもしれないと感じるようになりました。
この読解の内容を上手に作文や会話につなげていくには
どのように授業をデザインしたらいいか、今も研究中です。
これからも学んだ韓国語で発信できる方を
少しでも増やしていけるよう、私も気持ちも新たに
オンラインとオフラインをブレンドしながら工夫を
重ねていきたいと思います。
この週末は初夏の気候のようです。
会員の先生方も体調に気を付けてお過ごしくださいませ。