通信270 濁る濁らない 伊藤耕一

【週刊ハンガンネット通信】第270号 (2018年5月14日発行)
濁る濁らない
伊藤耕一
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5月になりました。
4月に韓国語を勉強し始めた学生さんも多いことと思います。
今回は、私のあの頃のことを思い出してみたいと思います。
韓国語を勉強し始めて、1ヶ月目くらいだったと思います。
ある先生が授業でこんなことを言いました。
「韓国語は単語の先頭の音は濁りません。」
そして、教科書のコラムにはこんなことが書いてありました。
「韓国人は『金閣寺』と『銀閣寺』を発音すると、同じ音になってしまう。」「何だそれ?」というのが最初の正直な感想でした。
「『キ』と『ギ』は明らかに違うでしょう!」とその時は思いました。以前の通信でも書いたと思いますが、先生に「しょうがっこう」の発音をさせられて、その後「なるほど! そうなのか!」と納得したのを覚えています。最初は「濁る濁らない」と教えられて、そうなんだと思っていたのですが、韓国に行って韓国人と話をしてみて「清音と濁音を同じ音と認識しているのだ」と認識を改めました。その後、いろいろな国の人や言語に接するにつれ、このようは現象は結構たくさんあることが分かりました。

日本人は「H」と「F」の音を同じ音と認識している。

フィリピン人は「F」と「P」の音を同じ音と認識ている。
スペイン人は「J」と「Y」の音を同じ音と認識している。
ドイツ人は「T」と「TH」の音を同じ音と認識している。

外国語を勉強する時、どうしても母語を基準に発音しようとしたり、母語の発音を絶対的なものと考えたり、そんな傾向があると思います。

でも、それは世界中の言語の多数派側から考えると実は少数派なのかも知れないことに気付いた時、母語の発音を客観的に見ることができ、より良い発音に対する気付きにつながるように思います。

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