通信312 本における和・ハン混文のコツ 裵正烈

【週刊ハンガンネット通信】第312号 (2020年3月17日発行)

本における和・ハン混文のコツ 
株式会社HANA 裵正烈
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今回初投稿、HANAの代表の裵正烈と申します。アルクという出版社で編集者としてのキャリアを始め、2002年に『韓国語ジャーナル』という雑誌を立ち上げました。その後独立してHANAを2005年に作り、出版社として『韓国語学習ジャーナルhana』など主に韓国語の学習書を手掛けています。

今回のMLでは、20年近く韓国語学習書の編集に携わってきた経験から、本におけるハングルの扱いのコツなようなものについて書いてみたいと思います。本になる原稿を書かれたい方はぜひ参考にしてください。Wordソフトなどによるハンドアウト作成においても、役に立てる内容が多少あるかもしれません。

ハングル文のみを例文として掲載するときにはあまり問題がないのですが、説明文や地文などで、和文とハングルを混在させる場合、ちょっとした注意が必要です。まず、一般的に本のレイアウト上で、同じ級数(※出版編集では文字の大きさを「ポイント」ではなく「級」という単位で表します)のハングルと和文が並ぶと、必ずハングルのほうが小さく見えます。なので、見た目のバランスを均等にしたいなら、ハングルを少し(だいたい1級分)大きくする必要があります。また、学習書では、基本的に読み手はハングルに不慣れだという前提でしょうから、ハングルが目立つくらい、つまり2級大きくしたほうがいいかもしれません。

参考までに、小社の本の場合、和文は明朝13級、ハングルはゴシック15級を用い、ハングルの方はさらに太いフォントにすることを基本にしています。あえてハングルが目に付くようにしているわけです。

また、ハングルを和文の中にただ並べると、ハングルの方が少し浮いている、つまり和文よりも高い位置に置かれているように見えるときがあります。パッチムを含むハングルのバランスと和文のバランス上の問題でしょうが、こういう場合、視覚を頼りにハングルの位置(ベースライン)を調整する必要があります。

以上はたいしたコツではないようですが、きちんと手が入っている本とそうでない本は、見るとすぐに区別できますし、見やすさも違います。日本の韓国語学習の多くは、韓国語の扱いに慣れていないスタッフの方(デザイナーやDTPオペレーター)の手によるものなので、著者や編集者が具体的に指示をしないと、解消されないまま本になってしまいますし、実際そのような本が多く見られます。なお上記は、設定をいじるだけで一括調整ができるので、早い段階であればレイアウト作業をするスタッフの方にとって大変な作業ではありません(とはいえ全体に関わる変更なので、最後の方の段階でこれをやると怒られます)。

最後にもう1点、和文の中に韓国語の単語や文をどう混ぜるかについても見てみましょう。学習書では多くの場合、日本語の説明の中で韓国語に触れる形になるので、かっこを使う機会が多いはずです。たとえば

例:「사랑」に「하다」を付けて「사랑하다」にすると「愛する」という動詞になる。

のような場合です。これに訳を補足したいときに( )を使うこともあるでしょう。すると、

例:「사랑(愛)」に「하다(する)」を付けて「사랑하다」にすると「愛する」という動詞になる。

となります。カッコが増えて、煩雑になってきたと思いませんか。さらに「사랑(サラン:愛)」と発音を入れたり、意訳に直訳を補足したりするときなど、「 」( )に加えて、さらに別のかっこや「:(コロン)」を入れないといけなくなります。そうすると、どんどん読みづらくなってきます。

上記の文を見やすくする具体的な方法は、引用の「 」を取ってしまうことです。ただし、取るだけだとハングルが埋没してしまうので、上記で記したような、ハングルを目立たせる処理を忘れずに行うといいです。

例:사랑(愛)に하다(する)を付けて사랑하다にすると「愛する」という動詞になる。

上の例だけ、私のメーラー上でボールドと1ポイント上げの処理をしていますが、お読みの方のメーラで表現されているでしょうか? ともかくこうした処理で、誌面は劇的に読みやすくなります。なおこの場合も、文をまるまる引用すると、

例:彼は사랑은 느끼는 것이에요.(愛は感じることなのです。)と答えました。

となり、「마침표/マル」の部分の具合がよろしくありません。「。)」のような文章記号の連打は美しくないので、やはり避けたいところです。判断はわかれると思いますが、小社ではこういう場合、完結した文といえども마침표/マルを取った形で引用しています。

例:彼は사랑은 느끼는 것이에요(愛は感じることなのです)と答えました。

付け加えるなら、長い引用の場合は「」があったほうがいいこともあります。

例:彼は「사랑은 느끼는 것이에요(愛は感じることなのです)」と答えました。

この文章記号問題は、著者の方の原稿をもらったときに、まずチェックする箇所の一つです。レイアウトに流し込む前であれば、自分のパソコンの検索・置換機能を使って整えることができるので楽です。

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