【週刊ハンガンネット通信】第446号 (2023年6月26日発行)
楽しく悩みながら初学者にアドバイス
アイケーブリッジ外語学院 幡野泉
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当校講師陣で制作した、生涯学習のユーキャン「はじめての韓国語講座」が売れ行き好調らしく、リリースから2か月ほどで再版が決定しました。
受講生がオンラインサポートシステムから質問を投げかけると、当校に飛んできて、いまは主に私が回答しています。(今後、多くなってきたら何かしら考えるかもしれません)
初学者の悩みはほとんどが、「わかる~!」と思えるもので、韓国語の学習を始めたときのことを思い出しながら、どう考えたらよいか、どう伝えたらスッキリ理解できるか、楽しく悩みながら回答しています。
例えば、(個人が特定できないように少し変えて書くと)
「私は順子という名前ですが、韓国語で書くとチュンコになります。チュンコと思われてしまいませんか?」
このいろんな問題をはらむ質問に、webツールという限られた空間で、どうシンプルに答え、どうしたら納得していただけるか……。「楽しく悩む」という私の気持ちを先生方ならきっと分かってくださるでしょう。
テキスト1でハングルを学び、ハングルが終わると3章に分けて9種類の発音ルールを紹介しています。この段階でここまで必要か、テキスト2で会話や文法を学ぶ前に、ここで挫折してしまわないか悩んだのですが、版元さんと議論を重ねたのち、載せることになりました。
そうしたら、やはり……、
「発音ルールが複雑すぎて理解できません」
「覚えられません」
等々の悲鳴が寄せられるようになりました。
章の冒頭には、「今の段階では、こういう発音ルールがあるということを知っておくだけで構いません。」と書いていて、このような連絡が来るたびに「すべて理解できなくてもいい」と伝えてはいます。ここで嫌になって学習をやめてしまったら、本末転倒です。
しかし、やや飛躍しますが、通訳クラスの説明会等を行うと、例えば、
1600, 26일を、[천뉵뻭], [이심뉴길]とすんなり読む方は、TOPIK6級を所持していても、ほとんどいない、と言っても過言ではありません。
このような状況を見るといろいろ悩みますが、多くの方に韓国語に親しんでいただくには、最初の段階では発音のルールは「いまはいいから」と、言って行ったほうがいいのかな、と……。
「いやいや、最初が肝心。最初からきちんと教えて行かないと」という先生方の声も聞こえるようです。
韓国語を教えるということを始めた20年前と同じことをまだ悩んでいるなぁ、と、楽しく悩みながら、皆さんにアドバイスをしています。
