【週刊ハンガンネット通信】第461号 (2023年10月18日発行)
「K-POPで韓国語? 英語?」
ペ・ジョンリョル
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最近、大学の出身学部(外国語学部)の同窓会が主催するセミナーの企画を任されました。それで現役英語教師B先生に出演依頼をしにいったときのことです。「参考までに、A先生は倍数表現を取り上げるとおっしゃっています。twice, three timesとか…」「それ私も得意なやつですよ!」とB先生。そして提案されたのが「TWICEの歌詞で英語表現を学ぶ」という内容でした(以上実話)。
このTWICEはご存じ人気K-POPグループのことなので、わざと言ったのか、人の話をちゃんと聞いていなかったのかのどちらかですが、それはともかく、彼によると最近のK-POPは英語の歌詞が多く、生徒受けもいいので、英語の授業でよく取り上げているそうです(勤務校は英語の他に韓国語にも力を入れている日本の中学校です)。最近のK-POPには英語オンリーの曲もあるので、英語の授業で取り上げられてもなんら不思議はないですよね。
さて、小社に『K-POPで韓国語!』というシリーズがあります。2013年7月に1冊目を出してから、『K-POPで韓国語!2』『K-POPで韓国語!3』『K-POPで韓国語!4』と続けて出し、少し間が空いて5冊目の『K-POPで韓国語! 2017-2018』まで出版しました。
これらは本ごとにテーマや取り上げるアーチストを変えて、韓国語の歌詞を、発音どおりのハングルとフリガナ、文法項目などの丁寧な解説とともに紹介した学習教材です。人気のK-POPで韓国語が勉強できるとあってそれなりに売れましたが、作る側にとっても「歌詞ありき」でゼロから何かを生み出す必要がなく、最初に作ったフォーマットや作業要領を次作でそのまま生かせるので、かなり楽な本といえます。
もちろん歌詞を勝手に掲載することはできないので、著作権管理団体を通じて所定の料金を支払って利用しています。これも手続きの問題なので、一度経験したら難しいことはありません。
K-POPの人気はずっと高かったのに、なぜか2018年の5冊目以降続編を作っていませんでした。「韓国語の学習」という観点で見ると、冒頭で記したように英語が多い、韻やリズム重視で意味のないフレーズの繰り返しが多いなどの理由で、実際に使える曲が多くないという事情もあります。でも、久しぶりに1冊作ってみたいという編集者が社内にいるので、ぜひ最近の曲の中で、ネットワークの先生方のオススメを教えてほしいです!
もっとも「韓国語の学習」を重視するなら、バラードやドラマOSTがいいのかもしれません。個人的にはトロットや7080歌謡の名曲をやりたいのですが、「需要がない!」と社員から猛反対されそうです。
