【週刊ハンガンネット通信】第476号 (2024年2月12日発行)
「外国語脳を作る」
伊藤耕一
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マレーシア生活も3年目に入りました。
最近困ったなと思うのは、単語を覚えられなくなったことです。
英語や韓国語を勉強していたころは、新出単語を一度覚えれば、ほとんど忘れることはありませんでした。
しかし、今は、過去に覚えたはずの単語の意味が思い出せない、そんなことを毎日のように感じます。
そんな時に、このような動画を見ました。
https://youtu.be/kfMWelITPpg?si=FqpY6MC0mwUFUx2M
「韓国語脳を作るには」とのテーマです。
そのために必要な前提として、基本的な「単語・文法・発音」を身に付ける必要があるとの話がありました。
私のマレー語を振り返ると、このような感じです。
・単語 圧倒的に語彙力が低い。
・文法 語順、修飾被修飾、格、前置詞といった基本的な文法は、ほぼ覚えた。
・発音 スピーチの時の話は通じているので、問題なさそう。
ということで、動画の話に納得するとともに、私の場合は「単語」が課題であることを再認識しました。
その動画では、単語の覚え方として「イメージで覚える」ことを推奨していました。
つまり、韓国語の単語を日本語に変換することなく認識するような手法です。
振り返ってみれば、学生時代には英語も韓国語も難しい単語は逐語的に覚えるのではなく、イメージで覚えていたことを思い出しました。
例えば「따뜻하다は、暖かい日差し」「어지럽다は、グルグル回るめまい」などのイメージが頭の中にあります。
今でも言葉を発した時の音とそのイメージが結びつくような感覚があります。
翻ってこの2年間で覚えたマレー語の単語を思い起こすと、マレー語を英語に変換して逐語的に覚えてきたような自覚があります。
「Kesihatan=Health」「Keselamatan=Safety」「Belajar=Learn」「Bekerja=Work」「Sedap=Delicious」
つまり、イメージとして覚えていないことになります。
また、韓国語を教えていた時、「(外出先で)これから私の家に来る?」と言う時の「来る」は「오다」でなく「가다」を使わなければならないと言っていたことを思い出しました。
「逐語的に覚えてしまうと、実際に言葉を発する場面では不適切な表現になる場合があるので、なるべくイメージで覚えましょう。」「自分の所有物や所属先を言う時にも「내」でなく「우리」を使うことが多いです。」などと言っていたような気がします。
このようなイメージの絵と解説をホワイトボードに何度も書きました。

しかし、欠点は、学習する側としては膨大な数のイメージの場面を覚える必要があり、教える側も膨大な数のイメージの場面を提供する必要があり、非常に手間がかかることです。
私はホワイトボードに絵を描くことが多かったのですが、本当はこのようなカードを用意しておくと、もっと効率的なのかも知れません。
私が韓国語を学習していた頃は、ふんだんな時間と旺盛な記憶力があったのですが、今は限られた時間と衰えた記憶力しかなく、これが一番のネックです。
いくつかのマレー語の単語を覚えたつもりが、翌日にはその半分ほどは忘れてしまい、まさに3歩進んで2歩下がるような感じです。
そうは言っても、マレー語脳を作るには、一歩一歩を積み重ねるように一語一語の単語を覚えて行くしかないなと思うのが、記憶力が衰えた学習者の開き直った本音のような気がしています。
