【週刊ハンガンネット通信】第505号 (2024年10月3日発行)
「酷暑の夏に」
田附和久
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はじめに、配信日が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
2024年の夏は、昨年に続き、世界的に観測史上最高の暑さを記録しました。日本も酷暑の日が続きましたが、韓国も폭염, 열대야, 이상고온, 역대최고等の言葉が連日ニュースに溢れていました。
私はこの夏2回渡韓し、それぞれ1週間ほど現地に滞在しましたが、8月上旬にはソウルで連日夕方、凄まじい게릴라성 호우に遭いました。地球温暖化の影響によって、東京も、ソウルも、夕立ちや소나기といった風流な言葉で表現するのはあまり相応しくない、東南アジアのスコールのような集中豪雨が降る地域になってしまったようです。
9月には青少年の国際交流イベントに参加する大学生を引率して済州島を訪ねました。アジア諸国から青年たちが集まって開催されたイベントのテーマは「平和」と「気候変動」でした。平和に関しては、済州4・3平和記念館や島民虐殺の現場となった洞窟跡等をめぐり、済州島4・3事件についての学びを深めました。気候変動に関しては、ワークショップを通して気候変動対策の必要性や気候正義実現のために何が必要かといった内容への理解を深めたほか、現地の市民が企画した環境保護や気候変動対策を訴える街頭デモにもいっしょに参加しました。
デモは、子どもから高齢者まで、文字通り남녀노소が集い、ドラム隊や풍물패も加わった賑やかなパレードでした。日本から参加した大学生たちは、道行く人たちも楽しそうに見物しているお祭りのような雰囲気に日本のデモとの違いを感じ、とても驚いていました。
日本も、韓国も、近年、殺人的な猛暑や異常気象に伴う災害の増加等、気候変動の影響を強く受けている点では共通していますが(地震に続く豪雨で被害を受けた能登半島の方々に心からお見舞い申し上げます)、気候問題への関心は、両国ともまだそれほど高まっていない印象を受けます。しかし、そのような中でも、この問題に関心を持った両国の青年たちが、国の違いをこえて、英語や互いの言語を交えて語り合いながら、共同してできることを考え、実行しようとしている姿を見て、未来への大きな希望を感じました。
私自身も、若い世代、そしてまだ見ぬ未来の世代にこれ以上迷惑をかけることにならないよう、탄소중립 実現のために意識を変え、生活スタイルを見直そうという気持ちにさせられました。まずは、この夏搭乗した飛行機で排出してしまったCO2の分だけでも別な方法で削減する努力を始めてみようと思います。
