【週刊ハンガンネット通信】第510号 (2024年11月11日発行)
「歌詞を使った学習」
加藤 慧
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タイムラグがあって申し訳ないのですが、田附先生の第497号「あの頃、授業で聴いた歌」を大変楽しく拝読しました。私の場合はK-POPでしたが、同じく歌詞で韓国語を学んでいたので、大変共感しながら読ませていただきました。
『K-POPで韓国語!』シリーズ(HANA韓国語教育研究会)などもそうですが、曲の歌詞に使われている文法を掘り下げていくのは、特に初級の学習を終えたくらいのレベルで効果的だと身をもって学びました。その経験から、好きな曲の歌詞を解説する個人レッスンも提供しています。
大学の授業でも以前は、学生からリクエストのあったMVを流し、そのなかで既出の名詞などを紹介するやり方で行っていたこともあります。ただ初級レベルだとなかなか難しい歌詞のものも多く、いつの間にかやらなくなってしまっていました。
少し前にTWSの ‘첫 만남은 계획대로 되지 않아’ という曲が流行しましたが、サビで “어려워” が繰り返され、最後に “반가워” も出てきます。先日 ㅂ 変則活用を取り上げた際にふとそのことを思い出し、授業の最後にMVを流してみました。すると大変反応がよく、次の回の小テストで 해요 体に活用する問題では、 어렵다 の正解率だけが群を抜いて高くなりました。
これはいいと思ったのですが、問題は今回のように、出てきた文法が使われている曲を都合よく思い出すとは限らないということです。そんななか -지 않아 を扱った際に「SEVENTEENの ‘울고 싶지 않아’ を思い出した」というコメントをもらいました。早速流しましたが、サビでは “눈물은 많지만” という歌詞も繰り返されるので、少し前に出てきた -지만 も復習できて一石二鳥でした。そこでこれからは、習った文法が使われている曲を見つけたら教えてほしいと、学生たちに情報提供をお願いしてみました。
自分で探さないのは怠慢だとお叱りを受けるかもしれませんが、講師自身の限られた情報収集力に頼るよりも効率がいいですし、何より学生のモチベーションも上がるのではないかと期待しています。
未知の曲の歌詞を解説するのが、今から楽しみです。
