【週刊ハンガンネット通信】第515号 (2024年12月16日発行)
「高齢学習者」
ワカンドウ韓国語教室 日下隆博
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対面クラスの新規入門コース初日。
授業開始前にか細い声であいさつをしてきた生徒さんがいました。
「先生、わたし80過ぎてますもんで、覚えが悪いかと思います。どうぞお手柔らかにお願いします。」
授業を始めて数週間、確かにハングルを覚えるのはなかなかに難しそうでした。
ただ本人も努力をしているのがよくわかり、前の回の授業よりも確実に読めるハングルが増えていっています。
クラスメートも、1時間でハングルが読めるようになると詠っている本を紹介してあげたりと盛り上げてくれていて、講座開始から3か月、この高齢学習者は今のところ欠席はありません。
開始2年の別の入門クラス。
こちらは授業が2週間開くことがないよう学習回を増やしてほしいと受講者9人全員一致でリクエストしてくる雰囲気のクラスです。
このクラスでよくできる方のひとりはクラス最高齢の女性です。75歳を超えていると思います。
予習復習もたっぷりして授業内での質問もこの方が一番多いです。
ある日この方が20時30分の授業終わりに雑談もそこそこ「きょうはこれでお先に失礼します」とリュックを背負って急いで帰ると言います。
聞けば、これから泊まり込みのアルバイトに行くということでした。
年齢をまったく感じさせないバイタリティと、そうして作ったお金があってこその韓国語の授業なのではないか、と頭が下がる思いでした。
