通信517 「外国語の数字」伊藤耕一

【週刊ハンガンネット通信】第518号 (2025年1月14日発行)

「外国語の数字」伊藤 耕一
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言語を学ぶ時、最も実用的なものは数字だと思います。
海外旅行に行くと、航空機の便名・搭乗ゲート・座席番号・時刻などの識別に数字が必要ですし、買い物する時は必ず数量と金額が数字で表示されます。
最近はアプリの中に航空券情報が表示されたり、ほとんどの決済がキャッシュレスなので、会話がなくとも搭乗や買い物に困る場面は減りましたが、市場で買い物して値切る時など必ず数字の会話が必要になります。

私の場合、初めて韓国に行った時「십일만원」と「십이만원」の違いが瞬時に分からず、とまどった記憶があります。
今回は昨年の私の数字にまつわる失敗談です。

マレーシア滞在時、インドネシア、カンボジア、ベトナム、ミャンマーに旅行に行きました。
この4か国の通貨はゼロが多く並ぶのですが、本日時点のレートは次のようになります。
・インドネシアルピア 1,000円≒103,443ルピア (100K≒1,000円)
・カンボジアリエル  1,000円≒ 25,789リエル (100K≒4,000円)
・ベトナムドン    1,000円≒161,312ドン  (100K≒ 600円)
・ミャンマーチャット 1,000円≒ 13,336チャット(100K≒7,000円)

4か国ともそれなりに英語は通じるのですが、苦労したのは、ぼったくられていないかどうかの判断です。
例えば食事をしたとき「20万ドンです。」と言われますが、瞬時に1,300円くらいだからOKなどと判断しなければなりません。
しかしベトナムでは靴磨きに私はぼったくられてしまいました。
「70万ドン」と言われたのですが「7万ドン」と思い込んでしまったのです。
「7万ドン≒500円」なのですが、不注意にも「500000+200000」のお札を7万ドンだと思い込んで渡してしまいました。

お札には、日本円もそうですが、コンマが書かれていないこともあり、見間違えたのです。(写真はインドネシアルピアです。)
お札の違いは「色」で識別することが多いと思いますが、ドン紙幣の色は初見で、瞬時に識別できなかったこともあります。
渡したお金は相手の言った金額とは合っていたのですが、自分の中では「50000+20000」のお札を渡したつもりでした。
「70万ドン≒5,000円」なので、この時に瞬時に判断できれば「高すぎる」と交渉できたと思うのですが、後の祭りとなってしまいました。

その後の旅行では気を付けるようにしましたが、なぜ間違えてしまったのかを考えてみました。
この4か国では「70,000」を「70K(Seventy K)」と千の単位で呼び、「1,000,000」を「1 million」と百万の単位で呼びます。
「1 millionドン≒6,000円≒百万ドン」「100Kドン≒600円≒10万ドン」と、「万」を単位に頭の中で考えてしまい、「万=K」と勘違いしてしまったようです。
韓国ウォンは、1,000ウォン≒107円なので、ゼロをひとつ取ればおよその円換算ができ、間違えることはないだろうと思いますが。

ちなみに、ぼったくりの危険度で東南アジア諸国を並べると、ベトナム>タイ>カンボジア>インドネシア>ミャンマー>マレーシア>シンガポールというのが私の体感です。
皆様も旅行の際には是非お気を付けください。

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