通信525「地球の歩き方」伊藤 耕一

【週刊ハンガンネット通信】第525号 (2025年3月17日発行)

「地球の歩き方」 伊藤耕一
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先日、実家に帰った時に「地球の歩き方 韓国 ’92〜’93版」を見つけました。今から32年前、私が学生の時に買った本です。私が初めて韓国に行ったのは1993年の夏、大学3年を修了し休学中の時でした。

まず思い出したのは、初めての韓国で食べた食事です。ガイドブックにあるものを端から試して食べました。
갈비탕, 설렁탕, 곰탕, 해장국, 매운탕, 떡국, 냉면, 칼국수, 삼계탕, 비빔밥, 순두부찌개…
辛いのか辛くないのかよく分からずに注文し、辛さに悶絶したこともありました。

当時は金浦空港に降り立って、ソウルまで路線バスで移動したことを思い出しました。最初に支払ったウォンだったせいか、うっすらと記憶があり「確か500ウォンくらいだったのでは」と思い、ペラペラとページをめくると「空港バス 料金:W580 ワンマンバスなので、運賃は乗車時に支払う。」と書いてありました。学生だったので、時間よりもお金を優先する旅でした。

この時は同級生が語学堂に留学中で、彼と待ち合わせて半日ほどソウル市内を案内してもらいました。「バスに乗るので『トークン』を買った方が良い。」と教えてもらい、キオスクのおばちゃんから買いました。穴の開いたコインを乗るたびに料金箱に入れて「とても合理的な支払い方だ。」などと当時は思っていました。当時の日本の路線バスは160円とか180円を現金で料金箱に入れていて、いちいち両替が必要でしたので、トークンというシステムにはとても感心しました。

都市間の移動は統一号という急行列車を利用しました。ソウル⇒温陽⇒全州⇒麗水⇒忠武⇒鎮海⇒釜山⇒大田⇒ソウルと移動し、2週間ほど旅したような記憶があります。当時は、李舜臣のことをテーマに卒業論文を書こうと考えていて、ゆかりの地を訪ねようと考えていました。

セマウル号や無窮花号は高いと思って統一号を使ったのですが、ソウル⇔釜山間の値段はこのように書かれています。
セマウル号:W16,400(250分)、ムグンファ号:W9,000(290分)、トンイル号:W6,600(326分)。
ソウル⇔釜山間が当時のレートで約1,000円、5時間半の旅だったことに改めて驚きます。
今のKTXはW59,800(最速135分)とのことで、隔世の感を感じます。

麗水⇒忠武の移動は엔젤호という高速船に乗りました。亀甲船が行き交ったという海域の美しさは忘れられません。

時間を見つけて、韓国に旅に出たくなってきました。