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【週刊ハンガンネット通信】第557号 (2025年11月17日発行)
「伝えたいこと」 ワカンドウ韓国語教室 日下隆博
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人にものを教える仕事をしていると受講生が挫折しそうな様子を見ることがあります。
そんな時に伝えるメッセージはいったいどういったものがあるでしょうか。
週刊ハンガンネット通信での私の2025年中の執筆担当はこの号が最後となりますので2025年の個人的に初めてのことを振り返ってみます。
NHK Eテレの「NHK俳句」で私の句が特選句となり番組で紹介されました。
毎月の句会を5年間続けてきたひとつの大きな成果が出たでき事となりました。
句会ではいつもメンバーからの評価が低い私ですが、韓国語とは直接関わりのないもので、こつこつ続けることの成果、続けていれば何か良いことがある、ということを受講生に示すことができました。
今年は音楽活動を再開しました。声や演奏のリハビリを兼ねてライブハウスでの飛び入り演奏など、活動再開からこれまで7か月で30回以上ステージに立ちました。
そのうちの2か所は鳥取県米子市と宮城県仙台市と関東以外でも歌い演奏しました。
その際できるだけ心がけていることは歌詞もすべて暗記して歌詞カードや譜面を見ないで歌い演奏することです。
ステージでの私の演奏曲は主に英語の歌です。
英語の歌詞は韓国語や日本語の歌詞と違って私にとってはおおよそ意味を伴わないで覚えるものです。そのため何度も何度も繰り返し暗記を確かめるしかありません。
「単語が覚えられない」「覚えてもすぐ忘れる」と嘆く受講生からは「単語がすいすい覚えられるのは先生だからできるんですよ」と言われることも多いです。
今回英語と楽器演奏という、韓国語ではないものをこつこつと覚えていくことの実践から、暗記や記憶の定着のために誰もがやらなければならない何度も繰り返し暗記を確かめる過程を説明しやすくなりました。
またステージを何度も積み重ねることで経験値を増やし、ミスの発生とその修正の繰り返しがスキルアップにつながることの実践も、韓国語学習に置き換えると、アウトプットの場数を増やし、間違えては修正し、その繰り返しでより良い韓国語話者としてスキルアップにつながるという点も説明しやすくなりました。
学習者に「伝えたいこと」をより説得力を持って伝えやすくなったと感じています。
