通信212 私の韓国語講師奮闘記11: スペインから・講師のあり方(1)

【週刊ハンガンネット通信】第212号 (2016年12月19日発行)

 

私の韓国語講師奮闘記11: スペインから・講師のあり方(1)

宮本千恵美

 

スペインに来て2ヶ月を超えました。

授業を受けていても、「上達しているのかしら?」と疑問する日々と葛藤が毎日押し寄せてきます。

久々にスペインの映画をスペイン語で観てみました。

いつもは吹き替えで、ながら鑑賞をしているのですが、せっかくスペインにいるのだからながらスペイン語映画鑑賞を。

まだ文章としては聞き取れないですが、確実に単語がバンバン耳に入ってくるようになりました。

来たばかりの頃は、単語さえ耳に入ってこなかったことを思えば、ずいぶん耳も慣れてきたようです。

自分が生徒になって思うのは、生徒たちもこんな風に自問自答しては韓国語を勉強しているのだと感じます。

そしてあれだけ毎日韓国語を勉強しろとか宿題をしろとか偉そうなことを言っていますが、いざ自分に置き換えるとなんて偉そうだったのかとつくづく思います。

私の場合、韓国留学でも今回のスペイン語留学でも、必要に迫られて語学をしています。

嫌でも毎日その言語を口にし、聞かなければいけません。生活の一部ですから。

そう思うと覚えが早いというわけではなく、

覚えなくてはいけない!

になるので上達も早いわけですが、日本にいて他言語を勉強するってやはり大変です。

必要に迫られないし、できなくても生活できますから・・・

 ハンセミや研修会に参加すると、多くの先生方の熱意を感じます。

全ての生徒が留学できるわけじゃありませんし、日本にいても韓国語を勉強しようと思う生徒さんたちに一生懸命教えようと努力を惜しまないです。

韓国留学での慶熙大学の先生方も本当に熱心だったなぁ〜と思います。

韓国の大学はほとんどが私立と聞いておりますし、やはり競争も激しいと思います。

生徒獲得のためには一致団結!

そんな感じなのでしょうか?

 生徒たちに対しても一生懸命で、食事や遊びは一緒に行くし、相談には乗ってくれるし、ある先生に関しては時期も冬だったので、

「넘 추우니까 감기에 조심해야 돼~감기에 걸렸으면 선생님에 연락해. 선생님이 약을 사 줄 게」

なんて優しいんだろうと・・・先生方が本当に母のように感じたものです。

ただ私よりも年下の先生もたくさんいたんですけどね(笑)

語学だけじゃなく、人の情緒とかそれらのものも韓国や韓国語に魅了される1つかもしれません。

なぜそんなことを今書いたかと言いますと、国が違えば講師の質も考え方も違うということです。

スペイン・・・

  • お仕事しかしません。
  • 生徒のために一生懸命考えません。
  • 迷惑な生徒がいても無視です。
  • レベル昇格の試験があっても、きっとみんな上に上がれます。(つまり意味がないということ)
  • 授業中にできない生徒がいても、無視です。
  • 生徒同士が英語で話し始めても知らんぷり、なぜ注意しなければいけないの?という感じです。(最近はスウェーデン人が多いので、スウェーデン語も飛び交っています)
  • 生徒が分からないなら、英語で説明します。その方が早いから。

でもある一人の素晴らしい先生に出会いました。

どうしても私が授業についていけなくて、プライベートレッスンに変わった時期がありました。

その先生は、グループレッスンで担当の先生が急病の時に代理で1度だけ授業を受け持ってくれたのですが・・・

見事に全てスペイン語、どんなにわからないと言われてもスペイン語。

迷惑な生徒には「今から英語は話さないでください」とシャットダウン。

とにかく怖いイメージを与え、楽しい雰囲気のクラスは一気に静寂になり、生徒が英語を話す雰囲気を与えず、集中してスペイン語をする状況を作ったのです。

楽しい授業がイメージのスペイン語の講師にも、こんな先生がいるんだと思いました。

でもプライベートは全く怖くなく優しく丁寧に、そうです、韓国で感じたような安心感を感じました。

それでもその先生は絶対に英語は話さないし、私の相談に乗ってくれた時でさえ、私の英語をスペイン語に言い換えてくれたり、終始一点自分を崩すことがないです。

どんなに分からないと訴えても、粘り強くスペイン語で説明してくれます。

強いプロ意識、こう感じました。

私もそんな格好いい講師になりたいな・・・とスペインの空を見上げながら感じています。

通信211 名古屋ハンセミ: 会話レッスンについて考えよう

 

【週刊ハンガンネット通信】第211号 (2016年12月2日発行)

「名古屋ハンセミ;会話レッスンについて考えよう」

吉川寿子

会員の皆さま アンニョハセヨ? 世話人の吉川寿子です^^

去る11月27日に、東海地区で初開催となるハンガンネットセミナー名古屋が開催されましたので、通信でご報告いたします。発行が遅れましたこと、お詫び申し上げます。

さて、初めての名古屋ハンセミは、名古屋で評判の韓国語会話教室

マルマダンさんのお教室をお借りしての開催となりました。

 

講師は会話レッスンで定評のある西江大学(ソガン大学)のメソッドを駆使した授業を研究、実践されている マルマダン教室専任講師

 

田聖実(チョン・ソンシル)先生をお迎えしました。

 

今回のセミナーのテーマは、すばり

 

「会話レッスン」です。

 

 

学習者のニーズは多いのに、いざ実践しようとすると難しいテーマです。

ありがたいことに、すでにマルマダンさんでは

全国から会話レッスンに興味のある先生方に

教室のノウハウを惜しみなく披露されていました。そこで

理論よりも実践重視で!とのハンガンネットのリクエストを取り入れていただいて

90分の発表時間のほとんどを模擬授業形式で進めていただきました。

 

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なお、名古屋ハンセミは参加いただいた先生が全員、現役市民講座の先生方でしたので

 

事前に会話レッスンを行う上で、何に困っていらっしゃるのかアンケートを取って、そのお悩みをソガン大学メソッドの中で解決できないか、この模擬授業を通してその糸口を探してみてもらうことにしました。

 

(もちろん、チョン・ソンシル先生にヒントをチラ見せしていただき、質疑応答や解説は随時行いながら進めます)

 

 

 

ちなみに、今回の先生方から出たお悩みは下記の3つです。

 

A. 話題に詰まる

B. レベル差のあるペアを両方満足させることが難しい

C. 学習者が恥ずかしがって発話しない

 

 

もちろん、この模擬授業の中だけで解決できない問題も含まれてはいますが、アウトプット前提で参加してくださいとお願いして、模擬授業をスタートしていただきました。

 

ソガン大学の教科書は、文法、聞いて話す、読んで話す の3つのパターンが提示されていますが、いずれも最終的にはその内容を口頭でコミュニケーションできるように考えて構成されています。

 

 

来られる先生方は、全部知りたいでしょうから!と

 

チョン・ソンシル先生が3つのパターン、全部を2本ずつ体感できる模擬授業をやります元気 とパワフルに申し出てくださいました。

 

 

制限時間を考えると、こりゃスパルタセミナーになると思いましたが

せっかくの機会ですので、後ほどしっかり整理する時間を持つことにして

貴重な授業ノウハウをたっぷりと見せていただき、大変感謝しております。

 

 

ここで、ソガン大学の教科書について、さらにご紹介しておきます。

 

・1A、1B  入門、基礎

→ 正確性重視、先生対生徒の関わりが中心

 

・2A、2B   初級

 

→  初級文法を用いて、生徒同士の会話練習中心であり

 

シンプルな文法をしっかりと使って会話での意思疎通がスムーズにいく、いわゆる「ペラペラに見える」レベルだと思われます。

 

 

(そこから進んで3A、3B 以上になると 韓国で生活できるレベルを目指すため、会話内容が高度になるので、日本で暮らす学習者にとって使用頻度として高くはありません)

 

それで、実際に会話レッスンを進める上で講師が難しさを感じやすく、なおかつソガン大学メソッドの中でも評価が高い

2A,2Bの教科書を使った模擬授業をお願いしました。

 

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さて、模擬授業ですが

 

マルマダンさんの授業では、その日に習う単元の予習と暗記は必須だそうです。

 

 

授業の最初はその確認のための時間があるそうですが、これは試験ではない、と念押しして恐怖感を与えない工夫をされているそうです。

 

 

「話す」と「読む」の違いは、内容を見ないで言えるかどうかですから、もちろんそうできれば理想ですが、生徒さんにそうさせるモチベーションを持たせる授業をしていらっしゃる工夫と努力が並大抵ではありません。

 

 

アウトプットのためのインプットにも力を入れていらして、提出物を細かく添削されたり、LINE等を利用して、生徒さんの学習モチベーションがアップするような工夫満載の発信もされているそうで、本当に素晴らしかったです。

 

 

授業中は文型練習を済ませたあとは、バケツリレー形式?にドンドン生徒さんに口を動かしてもらって、質問と回答の練習をしてもらいます。

 

 

話す材料や質問の綿密な授業準備で、「何を話したらいいのか」というスキを与えず、グイグイと授業をリードしていかれます。

 

脳科学的にも

 

質問する(短作文+発音)と答える(聞き取る+短作文+発音)をセットで何度も繰り返すことが会話能力を伸ばす最も効率的な方法とされています。話すためのトレーニングそのものです。

 

ソガン大学メソッドを使いこなしながら、そこにさらにプラスアルファされていて

 

授業中も細かい目配りで、生徒さんが自分から話したくなるアイデアが満載でした。本当に惜しみなくノウハウを披露いただき、ありがたかったです。

 

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盛りだくさんで学んだ後は、楽しくコーヒーブレイクの後に、本日学んだソガン大学メソッドを整理する時間を取りました。

 

 

ポスターセッションというプレゼン方法を用いて、2人ずつペアで今日の3つのテーマについて気づいたことを、ご自分の経験やお悩みとつきあわせて整理して発表してもらいます。

 

 

同業の先生方ですので、ご自身の経験と今日の気づきをミックスしながら発表して、それを参加者全員で共有して、さらに発展させるアイデアや意見がたくさん出て盛り上がりました。

 

いろいろとお悩みをお持ちだった先生も、しっかりとご自身でアイデアやヒントを見つけられて、表情がとても明るくなられたのが印象的でした。

 

 

ポスターセッションで出たまとめとしては

・会話レッスンの準備は、状況に応じた工夫が大切!

・生徒さんに関心を持って、話しやすくなる雰囲気作りは、少し恋愛と似ている?!など

ユニークな意見で笑いに包まれた雰囲気で

 

初めてのハンガンネットセミナー名古屋は大好評で終了いたしました。

 

かなりややこしいお願いをしたのに、快諾してくださった

チョン・ソンシル先生に改めて感謝です。ありがとうございました!!

 

 

 

もちろん、セミナー後は、韓国料理のお店で懇親会です^^

 

授業の話、韓国旅行の話、初対面の先生が多かったのですが、セミナーですっかり打ち解けていたのもあり、話題は尽きません。

 

 

初めての場所でのハンガンネットセミナーは、警戒されて受け入れられないことが多いのですが

 

 

決して上から目線で教え方を押しつける集まりではなく、あくまでも韓国語講師が横につながって助け合うことを目的にしています、との趣旨にとても賛同いただけたことが嬉しかったです。

 

 

それにしても、名古屋にこんなにパワフルで面白い先生方がいらしたとは、私どもにとっても大きな収穫でした^^

 

 

そして、韓国男子の先生方が鮮やかなお手並みでサムギョプサルを焼いてくださったことがうれしかったです。

 

これをきっかけに、名古屋、東海エリアの先生方がつながって、元気になってくださいますように。またセミナーでお目にかかりたいです!

 

改めて、チョン・ソンシル先生、ご参加くださった先生方、ありがとうございましたm(_ _)m

 

通信210 想像の翼

 

【週刊ハンガンネット通信】第210号 (2016年11月21日発行)

「想像の翼」    金英う
안녕하세요.

 

최근에는 여기저기서 한국어 회화반 개설이 많아지고 있다고 들었습니다.

마침, 이번 주 27일에 나고야에서 한강네트주최로 『会話レッスン』가 개최되는데요, 그만큼 회화에 대한 관심이 높아지고 있다는 증거이겠지요.

그래서 오늘은 제가 하고 있는 간단한 회화 수업에 대해 얘기해보려고 합니다.

 

대부분의 한국어 교재에는 단원 앞 부분에 회화 부분이 나와 있는데요, 회원님들께서는 어떻게 수업을 진행하고 계세요?

 

9월에 한교실에서 학생들이 이틀간의 단기 한국어 연수를 갔다 온 적이 있어요.

오전에는 한국어 공부, 오후부터는 관광이나 체험을 했는데요, 한국에 자주 가는 학생들은 입문을 마친 학생일지라도 나름대로 의사 소통을 하고 있었지만 그렇지 않고 한국에 간 횟수가 적은 학생들은 ”단어도 알고, 문장도 만들줄 아는데 말이 안 나와서, 마음 먹은 대로 회화를 할 수 없었어”라는 거였어요.

 

이 말을 듣고 돌아 오는 비행기 안에서 생각을 해 봤어요.

학생들이 한국에서 말문이 막힌 이유는 여러가지 상황에 따른 말하기 훈련이 부족하다는 점, 단어력이 약하다는 점이 그 원인이 아닐까라고요.

그렇다면 한국에 가는 경험 없이도 한국에 있는 것 처럼 회화 수업을 할 수 있는 방법이 없을까하고 생각하던 끝에,우선 가장 쉽게 이용할 수 있는 게 한국어 교재 단원별 앞에 나오는 회화를 이용해서 해보기로 했어요.

테마별로 회화가 되어 있어서 이용하기에 좋을 것 같았거든요.

 

교재 회화는 사전에 숙제로 내주어 암기까지는 아니더라도 일본어만 보고도 술술 말할 수 있을 정도로 준비하도록해요.

수업시간에는 교재에 쓰여진 내용이 일어나기 전의 상황/끝난 후의 상황, 그리고 회화 중간중간에도 일어날 수 있는 새로운 얘기(테마와 일관된)를 추가로 보태요.

그러면 교재에 쓰여진 회화는 6-8줄이지만 실제 회화는 배 이상으로 늘어납니다.

 

처음 단계에서는 학생들이랑 같이 회화를 만들어 가요.

시작 단계에서는 학생들의 모든 경험과 상상을 동원해 말을 만들어 갈 수 있도록 선생님의 방향성 제시가 가장 중요하다고 봐요.

그래서 저는 수업 준비할 때 실제로 직접 만들어 봤는데, 많은 도움이 됐어요.

학생들에게 어떤/어떻게 키워드를 주어야 할지 알 수 있었으니까요.

 

예를 들어, 교재 회화에 남자친구 집에 가서 인사드리는 장면만 쓰여 있다면, 인사드리러 가기 위해서 준비하는 장면을 앞 부분에(어떤 선물이 좋을까 남자친구에게 물어 보는 장면과 쇼핑장면), 인사드린 후 차를 같이 마시는 장면을 뒷부분에 회화로 추가시켜요. 이때,  ‘빈손’,  ‘마음에 드시다’ 등의 상황에 맞는 단어나 표현에 대해 공부하는 것도 좋습니다. 어떤 때는 ‘빈손’이라는 단어를 공부할 때 한 학생이 ‘빈차’라고 말해서 응용력을 높이기도 한 적도 있어요.

완성된 회화를 역할을 바꿔가면서 연습시키고, 나중에  줄거리를 써 오는 걸 숙제로 내줍니다.

수업이 끝날 쯤이면 학생들의 얼굴은 만족감으로 다들 웃는 얼굴이 됩니다.

 

이 수업에서는 선생님이 모든 걸 다 제시하려고 하면 힘들어요.

선생님은 단지 학생들에게 ‘상상의 날개’를 달아 주는 정도에 그쳐야 해요.

실제 생활에서 체험할 수 있는 상황을 설정해 주고 학생들이 그것을 상상할 수 있도록요.

 

요전에 어떻게 하면 상상의 날개를 달아 줄 수 있을까 고민하던 차에 좋은 프로그램을 발견했습니다.

전에 外国語実践フォーラム소개로 한강네트에서 회원님들께 보내 드린 적이 있는 「考える力を育てる授業づくり」인데요, 이 강좌가 조금이나마 학생들에게 상상의 날개를 달아 주는 데 보탬이 되었으면 합니다.

 

通信209 はっきり伝える

【週刊ハンガンネット通信】第209号 (2016年11月14日発行)

「はっきり伝える」        幡野 泉

第207号の通信で伊藤先生の、「広島に勝ってほしい」という日本語は、

場合によって「広島が勝ってほしい」とも、「広島が負けてほしい」とも、

どちらにも解釈できるのでは、というお話、興味深く読みました。

 

言葉を扱う仕事をしているせいか、「相手に分かりやすく話す」という

ことに関しては常日頃意識しています。

 

それに関し、これまでこんなコラムを書いたことがあります。

 

○「‘察してもらおう’とする日本人の日本語を、

どう通訳・翻訳するべきか」

http://www.hicareer.jp/chinese/korean/9.html

 

○「にんじんも取ってもらいなさい」

http://www.ikbridge.co.jp/mail/m563.htm

 

以上は是非お時間のあるときにお読みいただければと思いますが、

以前、子供の小学校の懇談会で担任の先生が話していたことで

印象的なことがあったのでご紹介します。

 

「お母さん、のどかわいた」

「お父さん、はい、テスト」

 

例えばこれに、

 

「お母さん、のどがかわいたからお水が飲みたい。ちょうだい」

「お父さん、今日テストがあったよ。見て」

もしくは、

「お父さん、このテストを引き出しにしまってくれない?」

 

という心理が背景にあるとして、それをきちんと言葉にしないと

いけない、言葉にする習慣を付けさせないといけないと思っています、

と、先生がおっしゃいました。

 

確かにそうだな、と。

 

親だったら簡単な一言でも子供が何を言いたいのか汲めるので

つい行動に出てしまいますが、私は子供にはいろんな外国語を

話し、いろんな外国の人と直接コミュニケーションをとってほしいと

思っているので、伝えたいことはきちんと言う、ということを教育しないと、

と思っています。

 

ただ、日本には「あうんの呼吸で通じる仲」というような間柄を重宝する

風潮があると思います。ハッキリ言われなくても、その裏を読む、

もしくは先を読んで行動するのが美徳、とも。

 

いま当校で責任者として働いていますが、周囲のスタッフや講師が

私の意向を汲んで動いてくれたりするとやっぱり嬉しいですし、

有難いですし……。でも、それに甘えずに、きちんと、ハッキリと

伝えていく、ということを実践しないといけないなと思っています。

 

 

通信208 聞き取りは受講生の状態が把握しにくい

【週刊ハンガンネット通信】第208号 (2016年11月8日発行)

聞き取りは受講生の状態が把握しにくい」  

前田真彦

先日、授業で印象的なことがありました。

聞き取りの場面です。

一文を聞いて、どんどん指名して韓国語を言ってもらう場面です。

ある方を指名すると「全然聞き取れません」という答え。

私は「全部知っている単語です。聞き取れるはずです。もう一回」

と言って、一単語ずつに切って、同じ方に指名しました。

するとわかるのです。

結局、その一文を全部最後までぶつぶつと一単語ずつに切ってですが、

全部答えることができました。

 

これをどう考えるか?

1、聞き取る単位が長いと聞き取れないあきらめが出てくる

2、知っている単語ばかりだと励まして短く切って答えてもらう

 

もう少し考えてみます。

 

3、少し長くなると、聞き取ろうとする気迫や、集中力に欠ける

4、「わかりません」と言えばスルーして他の方に指名が回ると思っている

 

このあたりも大事なことです。

授業のスタイルとして、

「わからないはずがない、もっと粘って、しっかり聞いて」

という授業者側の姿勢が弱いと、難しそうに聞こえる文は、

「聞き取れません」「全然わかりませんでした」と答えて

済まそうという「たるみ」が出てきやすいのかもしれません。

 

この授業での教訓。

1、聞き取れないと答えた方には短く切って答えてもらう

2、全部知っている単語ですよと言って励ます

3、聞き取れないと答えても簡単にはスルーしない授業スタイルが必要

4、聞き取りは集中力を要求するので、積極的な姿勢で聞き取り作業に入れるようにお膳立てをする必要がある

5、聞き取りは、ただ単に聞いてわかるかどうかということではなく、情報を獲得していく積極的な姿勢が必要ということを常々強調していく必要がある。

 

文法や音読は授業中の受講生がすべき作業がはっきりしています。

したがって受講生がどこでどう躓いているのか指導する側も把握しやすいです。

しかし聞き取りは、受講生の状態が把握しにくいのです。
 

どこでどう躓いていて、どうサポートしなければいけないのかがわかりにくいのです。

切る長さなのか、スピードなのか、発音変化なのか、そもそもその単語を知らないのか…
 

おそらく学習者も同じなんだろうと思います。

何をどうすればいいのか、どのようにすれば聞き取れるようになるのか、学習の方法がわかりにくいのでしょう。

 

実は、こういう発想から4色ボールペンディクテーションを編み出し、今まで実践してきたのですが、まだまだ考察や、授業の方法が甘いようです。

 

大いに反省させられました。

通信207 広島に勝って欲しい!

【週刊ハンガンネット通信】第207号 (2016年10月31日発行)
「広島に勝って欲しい!」
伊藤 耕一

日本では日本シリーズが終わり、北海道日本ハムファイターズが優勝しました。
韓国では2戦が終わって、두산が2連勝ということです。

今回の日本シリーズ開幕前に、広島ファンがテレビのインタビューでこんなことを話していました。
「広島に勝って欲しい!」

当然ながら「広島が北海道に勝って欲しい。」という意味です。

これを聞いた時に、リオオリンピックの女子バレーボール最終予選の日本対イタリア戦でアナウンサーがテレビで絶叫していた言葉を思い出しました。
「この試合、何としてもイタリアに勝って欲しい!」

私はこの言葉を聞いたとき、「えっ!」と耳を疑いました。
日本人なのに、どうしてそんなことを言うのだろう?

しかし、よくよく考えてみたら「(日本が)イタリアに勝って欲しい」という意味で、主語を抜いているのだなということが分かりました。
私は耳を疑いましたが、多くの視聴者はその言葉をすんなりと受け入れていたのかも知れません。

翻って「広島に勝って欲しい!」はファイターズファンが話したとしたら「北海道が広島に勝って欲しい。」という意味になるのではないかと思いながら、テレビのインタビューを聞いておりました。

日本語とは何と便利でつかみどころのない言葉なのだろうかと改めて思いました。
韓国語で考えてみたら、「広島가 이기면 좋겠어요.」というような表現になるでしょうか。「このシリーズは何としても広島に勝って欲しいですね。」(北海道の人)
「ですよね。絶対に広島に勝って欲しいです。」(広島の人)お互いが相手の出身地を知らずにこんな会話をしたとしたら、正反対のことを言っているにもかかわらず意気投合できそうで、少し怖い気持ちになりました。話は変わりますが、最近、気になっている表現で「トイレで目が覚める。」というものがあります。
これは「尿意を感じて目が覚める。」という意味ですが、人によっては「トイレで眠り込んでしまい、そのうちに目が覚めた。」とイメージする人が、もしかしたらいるのではないかと。
「夜中に何度もトイレで目が覚める。そんなお悩み、お持ちではありませんか?」と語りかけてくるCMがありますが、おそらくほとんどの人は「尿意を感じて目が覚める。」と理解しているはずですね。
不要な懸念であることを祈ります。
この日本語の格助詞の使い方は、韓国語を教える時にも、特に韓国語で作文を作る時など、意識した方が良いのかなと思いました。

通信206 私の韓国語講師奮闘記10: スペインから”¡Hola!(やぁ!)”

【週刊ハンガンネット通信】第206号 (2016年10月24日発行)

私の韓国語講師奮闘記10: スペインから”¡Hola!(やぁ!)”   宮本千恵美

日付が変わり、日本は24日月曜日、今夜中の1時くらいでしょうか?
こちらスペインは午後6時くらいです。

韓国語講師を辞め、スペインに留学しようと思い立ったのは約1年半前くらいでしょうか?
ただ、残してきた生徒たちが待っているとのこと・・・韓国語講師を続行するべく、
韓国語の勉強もしながらスペイン語をという甘い考えに打ちのめされている今日この頃です。

講師休業中なので韓国語講師として発信することは今はありませんが、世界から(スペインからですけど)見た言語教育に対する現状を書けたらと思います。

3年前にも超短期留学でスペインの東に位置する、バレアレス諸島の州都であるパルマ・デ・マヨルカ島に来たことがあります。今回で実に4度目の訪西、すぐには帰りません。偶然にも以前と同じホストファミリー、とても気持ちが楽です。

ホストファミリーは以前から日本に大変興味があったらしく、今回の長期滞在の期間に日本語や日本料理が学びたいとのこと。

私は日本に対して興味を持ってもらえるのは日本人として普通に嬉しいです。でも語学講師としてこれでも6年は仕事してきて、やはり専門外である日本語を教えることはあまり自信がありません。

できればこのスペインやヨーロッパでもう1つの仕事であるアートを生業にしながら、語学も教えれればと思っていましたが、韓国語に関してはとても無関心なホストファミリー。

3年前にスペイン語が話せない私に韓国語を話せるスペイン人を紹介してくれました。
彼女は韓国の延世大学で韓国語を学んだとか。
そしてその当時はこのマヨルカにも韓国語を学びたい人が多かったらしく、そのスペイン人も地元で韓国語を教えていました。

そのスペイン人と一緒に来ていた友人も韓国語を彼女から習っていると言っていました。
でもセットで日本語も学びたいと私に言ってきたことを思い出します。
つまり、韓国語単独学習と言うよりは、韓国語と日本語はセットなイメージにありました。

スペイン語学習のために外国人と交流できるアプリで検索していても、
日本語を学びたいプラスα韓国語もと言う募集をたくさん見ます。
日本語が人気があるのはすごく分かります。

アニメや食文化、そして他に類を見ない文字が3つもあると言う特殊性のある日本語、
外国人が惹かれる気持ち、なんとなく理解できます。

でも私は韓国語を教えたいんだけどな・・・でも言語を学ぶというのはただ単にそれだけを学ぶことが目的じゃないのです。
言語を学ぶことによって、その国の文化や人々の生活全てを学ぶ、
と言うことはその国に興味がないとその国の言葉を学ぼうとは思わないでしょう。

その視点から見ても、まだ韓国語が日本語ほど興味が持たれないのもわかりますが、
ではどのようにしたら興味を持ってもらえるでしょうか?
私は韓国が好きですし、韓国語や韓国に興味を持ってもらいたい!という気持ちが強いですが、啓蒙活動って難しいです!

若干のホームシックにかかりながら、周りから日本人はいないのかと言われましたが、観光客としてもあまり見ませんし、まして韓国人に会うなんてここでは皆無です・・・。
中国人に若干の親しみを感じながら、日々過ごしております(笑)