【週刊ハンガンネット通信】第294号 (2019年2月13日発行)
私の韓国語講師・奮闘記22「ハンガンネットセミナー&懇談会 in大阪」に参加してみた
宮本千恵美
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今年の冬ははっきりしない天候、そんな感じを受けます。
北陸にもようやく雪が降りましたが、前年のように積もることも殆どなく春を迎えるようです。
雪が少しちらつく2月11日(月)の祝日、大阪で「ハンガンネットセミナー&懇談会」が開催されました。
今回も昨年9月、長野でのセミナーのように「ライブ授業」を見学することもできました。
普段、他の先生方の授業を見学する機会はさほど多くないのではないでしょうか?
特に今回の目玉である前田先生の「友達の話を聞いて内容を理解する」と言うライブ授業を見学したいと思い、参加を決意しました。
まず前田先生の考案された「4色ボールペン」で聞き取りをします。
そして後半で「ニュース原稿を動画で発表する」と言う授業に切り替わり、その聞き取った内容を自分の言葉でまとめ、2人ペアで原稿をニュース形式で読み、録画・放送すると言う、なんともスペクタクルな内容でした。
後半の授業はミレの講師・飯田華子先生が担当し、先生が交代することで少し学校のような気分にもなりました。
まずは前半の「4色ボールペン」を使い聞き取る・インプットの質を高める授業は、ミレの受講生の方々だからでしょうか?
その集中力に驚きました。
よくあることですが、聞き取っているような思い込みで意外としっかり聞き取っていない単語や言い回しがたくさんあります。
うんうんと頷く生徒達に、
「本当に分かってますか?」
と聞くと、殆どの生徒は
「いいえ、よく分かりませんでした・・・。」
と答えることもよくあります。
日本人ならではと言いましょうか、分かったふりをする人が意外に多いのです。
しかしこの「4色ボールペン」の聞き取りは、まず誤魔化せません!
そして何よりも実力が良く分かると思います。
最初は聞き取れることが少なく、ショックを受ける受講生もいるかもしれませんが、しっかり聞き取ると言うことは会話する上でとても重要なことです。
そして上達していく過程がペンの色で確認できるのは、とても分かりやすいと思います。
そして後半に繋がる授業では、聞き取った内容を発表する・アウトプットに移ります。
録画された自分の放送を観賞しながら、感心したり笑いが起きたりとても楽しい印象を受けました。
終わった後にペアーごとに対して感想を講師が話す際に、「上手にできたところ」をしっかり伝えているところは、自分の生徒に対する接し方を改めて考えさせられました。
・・・私、ちゃんと生徒を評価しているかしら・・・?
自分に問いかけてみました。
勿論、直すべきところは注意しながらも、やはり良い点を見つけそこを伸ばすこと。
受講生の意欲向上には褒めることが最大の糧なのではないでしょうか?
その後、授業に関しての意見交換の時間に移行し、講師陣だけでなく実際に参加した受講生役の方々も参加されたことで、講師側と受講生側の意見を聞くこともでき、とても有意義な時間だったと思います。
話し合いの中で講師陣は授業構成からの矛盾点や修正点、今後この授業を改善しどう活かしていくかなどの意見が飛び交う中、受講生からの意見は全く違っていて、「楽しかった」などの肯定的な意見が良く聞かれました。
受講生から聞く意見はとても重要な意見だと思います。
どんなに良い教授法でも、それが受講生側に伝わらなければ意味がありません。
しかしながら、一生懸命討論し、授業を作る講師陣に感心している受講生もいました。
最後に懇談会では、各教室の現状の報告、そして今後の展望に話し合いが飛躍していきます。
私自身も感じる受講生の変化とそれに合わせた今後の教室運営―今何が必要か考えざるえを得ません。
私は他の先生方と同じ意見で、学習する生徒数自体は減っていないと思うのです。
2017年から第3期韓流ブームが到来し、若い世代がそのブームに乗っています。
プリクラに今までは英語で名前やメッセージを、それが名前くらいはハングルで書くのがブームになっている、その若い世代も教室に通ってもらうにはどうしたらよいか?
高校でも大学でも韓国語の授業を受ける生徒が増えています。
私自身も韓国語の本を持っていたり、携帯電話をハングル表記にしているだけで若い人たちから声をかけられ、学びたいと話してきます。
ブームはまだまだ終わっていません!
いろいろな先生方や各教室の意見や悩みや取り組みなども聞くことができ、また共有し協力し合えるセミナーの重要性を改めて感じた1日でした。