通信501  「マレーシアから帰国しました」伊藤耕一

【週刊ハンガンネット通信】第501号(2024年9月5日発行)

「マレーシアから帰国しました」 
伊藤耕一
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先月お盆前にマレーシアから日本に戻ってきました。
マレーシア滞在は2年8ヶ月となりました。

私のマレー語が最終的にどうなったか、報告したいと思います。
自己評価は「3歳児レベル」。その心は「自分の言いたいことは話せるようになったが、相手の言っていることは分からない時もある。」こんなところです。
最初は全く聞き取れなかったのが、体感的には半分くらい聞き取れるようになり、聞き取れない単語は類推することで全体の意味は何となく理解できるようになりました。
品詞ごとに分析してみると、こんな感じです。

語順
・英語の語順に似ているので、頭の中で「英語⇒マレー語」と変換すれば、初歩的な表現であれば、だいたい通じます。「日本語⇔韓国語」の関係に似ています。

発音
・ほぼローマ字読みですが「E」は「에」または「으」発音するのですが、「으」と発音することが多いので「E」は「으」と発音しておけば無難です。
・「A」は語末に来ると「으」と発音する場合がありますが、個人差もあり「아」と発音する人も多いので、「아」と発音しておけば良いでしょう。
・韓国語のパッチムのように語尾の子音は内破音になるので、韓国語学習者にはアドバンテージがあります。(ただし母音との連音はない。)
(例)Sedikit(少し):スディキッ、Selamat pagi(おはよう):スラマッパギ、Jempa esok(また明日会いましょう):ジュンプエソッ
・抑揚とアクセントは英語ほどハッキリしておらず、日本語程度の抑揚とアクセントだと思っています。
・マレー語はインドネシア語と似ています。マレーシアは英国の、インドネシアはオランダの植民地になって以降、それぞれ英語由来、オランダ語由来の単語が持ち込まれ、違いが出て来たそうです。インドネシアでは英語が通じにくく、私のたどたどしいマレー語を話すとむしろ意思疎通できて喜ばれました。

名詞・代名詞
・これ、それ、私、あなた、かれらといった代名詞は覚えました。
・見たり聞いたり食べたり飲んだりした名詞は覚えました。
・普通名詞は、あいさつやごく日常的な名詞(時間、買い物、旅行、仕事で使う一部の単語)は覚えましたが、覚えたのはせいぜい数十かと思います。
・語彙を増やすには「学習(学校に通ったり、テキストを読んだり)」が必要ですね。生活と仕事を通じてのみで覚えるのには限界があります。

動詞・助動詞・形容詞・副詞
・こちらも、あいさつやごく日常的な単語は覚えましたが、やはり語彙数は合計で数十かと思います。
・動詞は活用(過去形や複数形)がなく、助動詞と副詞の併用で時制や可能などを表現するので原形だけを覚えるだけで良いのはメリットです。
(例)Selamat datang:いらっしゃい(現在)、Saya datang ke Malaysia semalam.:私は昨日マレーシアに来ました(過去)、Dia akan datang esok.:彼は明日来る予定です(未来)
・形容詞は名詞の後ろから修飾することに注意が必要です。
・副詞はどの位置に入れてもほぼ通じるのであまり気にしないことにしました。
・名詞の前に「Ber」を付けると動詞になるというジョーカーのような接頭語があり、これには助かりました。
(例)Bahasa:言語⇒Berbahasa(ブルバハサ):話す、Cuti:休暇⇒Bercuti(ブルチュティ):休む、など
・文章や単語の最後に「ka?」付けると疑問文になります。
(例)OK ka?:OKですか?、Understand ka?:わかりましたか?

関係代名詞
・「yang」という関係代名詞を使うと英語と同様に文章をつなぐことができます。
・Di Jepun, saya junpa orang yang saya jumpa di Korea.(日本で、私は韓国で出会った人と会いました。)

マレー語は全体としては比較的習得しやすい言語だと思います。
当地で外大マレー語学科出身の方に大勢会いましたが「文法の授業は簡単で、大学1年の半分で終わってしまって。ロシア語学科に行かなくて良かった。」とおっしゃる方がいました。
私も「韓国語の文法は『日本語とほぼ同じだから、分かりますよね?』と先生に言われて軽く流されることがよくあった。」と言うと、「お互い良かったね。」などと返されたりもしました。

本当はあと数年いたかったのですが、こればかりは私の希望も叶わず、断腸の思いで日本に戻って来ました。
最後の2ヶ月は頭の中での「英語⇒マレー語」変換ができ始めた頃で、あと半年あればなあとも思っています。
マレー語は習得しやすくインドネシア語に近いので、母語話者として2億人くらいの人とコミュニケーションできるという、日本語や韓国語を超える部分がある言語だと思います。
成果の出やすい第3外国語としてもお薦めできます。

将来は花粉症から逃れるために、あの時期にマレーシアで過ごせるようになればいいなと個人的には思っています。
とても良い国ですので、皆さんも機会があれば、是非マレーシアを訪れてみてください。