通信528「中学生、高校生向けの独習書を出版」 ペ・ジョンリョル

【週刊ハンガンネット通信】第528号 (2025年4月21日発行)

「中学生、高校生向けの独習書を出版」 ペ・ジョンリョル
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2年ぶりに担当した学習書が4月の末に発売されます。タイトルは『ひとりで学べる!中学生と高校生のためのはじめての韓国語』という本です。

この本の録音は韓国で行いました。これまで韓国で録音する際に日本語の声優さんが安定せず、その悩みについてこの通信で書いたことがあります。

しかし、今回の日本語の声優さんは「大当たり」でした。ほぼノーミスでした。

それで今後のためにと、スタジオに連絡して声優さんの名前を教えてもらったのですが、なんと、以前お願いしたことのある人でした。前は録り直しがいくつも生じたので、同じ人でもその時の調子や集中力の問題などがあるのかもしれません。

韓国での録音で困るもう一つの問題として、録音したい音声について、こちらの意図がなかなか伝わらなかったり、声優さん本人が理解・認識できなかったりすることがあります。

今回も発音変化や抑揚のサンプルを録る際にそういうことが生じました。たとえば、簡単な語を使ってアクセントを説明するための音声が必要だったのですが、가수、노래、가요などなど、本で説明した抑揚どおりの音声をなかなか取ることができませんでした。

こういう音声を取るためには、非母語話者に韓国語を教えるための学習書の意図を理解できる人、言語学を学んだ人や日本語話者への教授経験がある人がいいように思います。あるいは、いっそAIや音声読み上げサービスにやらせた方が、感情なしに規則どおりに発声してうまくいくのかもしれません。

蛇足かもしれませんが、この本には「新大久保」という地名が何度か登場します。声優さんは[시노쿠보/シノクボ]と発音すると思い込んでいたら、3人の声優さん全員が[신오쿠보/シンオクボ]と発音してきました。新大久保周辺の韓国語話者たちはみな[시노쿠보/シノクボ]と呼んでいるはずなので、録り直してもらいましたが、今回の声優さんたちが「新大久保」や「大久保」のことを知っていたのか知らなかったのか、なぜそう読んだのかは聞いてみたいところです。

なお、この中高生向けの本は、用言についてはヘヨ体現在形を教え、そこから疑問形、過去形、パンマル、命令形、勧誘形、안(アン)否定形、さらにいくつかの表現を学ぶ流れになっています。

つまり用言は辞書形で提示せず、活用も基本的に学ばないわけです(ただし次の学習段階への橋渡しとして本の最後で説明しています)。

文字と発音、活用以外の文法はもちろん学びます。高校の授業で1年間かけて学ぶ内容を4週間(28日=28課)で習得する構成となっています。

著者は、JAKEHS〔ジェーケーズ=高等学校韓国朝鮮語教育ネットワーク)会員で長年都内の高校や社会人向け講座で韓国語を教えていらっしゃる武井一先生です。

機会があったら、お手に取って見ていただければ幸いです!