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【週刊ハンガンネット通信】第604号(2026年10月26日発行)
「『宇宙戦艦V号』から『ウ・ヨンウ』へ」 田附和久
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初めて韓国を訪れた40年前の夏、ソウルの教保文庫の児童書コーナーで、見慣れた絵が描かれた本を見つけました。描かれていたのは「宇宙戦艦ヤマト」。中を開くと、よく知っている数々の名場面が出てきましたが、登場人物には古代進や森雪ではなく、韓国人の名前がつけられており、戦艦の名前もヤマトではなく「宇宙戦艦V号(우주전함 V호)」でした。
その後、親しくなった韓国人の友人たちと話すうちに、韓国でもガッチャマン(독수리 오형제)やマジンガーZ(마징가 Z)が有名であることを知りました。皆、私と同じように子どもの頃からテレビアニメに親しんでいたとのことでしたが、それらが日本発祥のアニメであることを知らない人も少なくありませんでした。また、当時は日本の作品を、おそらく無断で模倣したと思われる類似作品や、いわゆる「バッタもん」の玩具などを見かけることもありました。
当時の韓国では、アニメーション以外にも、様々な大衆文化の分野で日本の影響を感じることが少なくありませんでした。酒席で日本人だとわかると、毎回のように「ブルー・ライト・ヨコハマ」や「恋人よ」を歌えと言われました。あまりにもよく歌わされたので、この2曲は今でも歌詞を見ずに空で歌えます。
ディスコで盛り上がったときによく流れていたのは、「ギンギラギンにさりげなく」。踊りながら「アジョッシベイビー、アガッシベイビー」と間違った歌詞で歌っていたあの曲を、まさか40年後に本物のマッチが韓国のテレビで歌い、人気を集める日が来るなんて、誰が想像できたでしょうか。
1990年代以前の日韓の大衆文化交流を振り返ると、趙容弼(チョ・ヨンピル)や桂銀淑(ケイ・ウンスク)といった韓国人歌手が日本で活躍していたものの、公式・非公式を問わず、文化の流れは量的には圧倒的に日本から韓国への方向が大きく、ほぼ一方通行という印象がありました。
しかし、韓国の民主化や経済発展を経て、1998年の「日韓パートナーシップ宣言」以降、韓国では日本の大衆文化が段階的に開放され、日本語の歌や日本映画なども公式に紹介されるようになりました。一方、日本でも2002年のサッカー・ワールドカップ日韓共催を経て、「冬のソナタ」に代表される第一次韓流ブームが起こり、状況は大きく変わりました。日本から韓国への一方通行だった文化の流れは、双方向の交流へと変わり、その流れはその後もますます大きくなっていきました。
今日、ポップス、映画、テレビドラマ、文学など、多様なジャンルで、日韓双方の人々が互いの国の好きな作品を自由に楽しめる関係が生まれていることは、本当に素晴らしいことです。少なくとも大衆文化の交流においては、日韓が隣国同士にふさわしい、対等なパートナーとして互いの文化を尊重し合えるようになったことを、心からうれしく思います。
この秋、韓国では日本のドラマ「ドクターX」が、日本では韓国のドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」(이상한 변호사 우영우)が、それぞれリメイク作品として話題になっています。かつてのように、こっそり「パクる」のではなく、正式に契約を交わし、それぞれの国の文化に合った形でリメイクされるのは、両国の文化交流が成熟してきたからこそできることでしょう。
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」は、私も最初の放送のときから毎週楽しみに視聴してきた大ファンです。そのため、日本版の「南田南弁護士は天才肌」も、「キンパプや回転ドアはこう変えたのか」「クジラはクジラのままなのか」と、オリジナルとの共通点や違いを楽しくチェックしながら見ています。韓国版には、ジェンダー、労働、教育など、現代の韓国社会ならではの課題を扱った回もあったので、それらが日本版ではどのようにアレンジされるのかについても注目しています。
語学学習に生かすという点では、両国で制作されたドラマを見比べることで、同じような場面での言葉遣いの違いや、両国の文化・習慣の違いなど、新たな発見ができるのではないでしょうか。もちろん、韓国語学習者が皆ドラマ好きだとは限りませんが、「『私、失敗しないので』は韓国版「ドクターX」(닥터X)では何と言っていると思いますか」と教室で問いかけてみるのも、面白いかもしれません。
